企画スペシャルセッション「自転車利用空間の目標像」(6/6 金 17:30~19:00)
オーガナイザー・司会者名:金 利昭(茨城大学) †
投稿原稿 †
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セッション概要 †
(企画概要)
自転車通行帯整備の重点が自歩道から自転車レーン・自転車道へ転換しようとしていが、自転車利用空間のあるべき姿に関しては不明確で、関係者間の合意形成ができているわけではない。本SSは、企画セッションに連動して、「我が国の自転車利用空間の目標像」を明確にすることを目指して、特にCompatibirityとInformativityに着目した集中討議を行う(必要幅員と決定要因、利用者の通行帯指向性、歩行者・自転車・自動車の優先関係、通行方法と規則・マナー、自転車・自動車の速度と抑制,電動四輪車と原付との共存問題、標示・標識による規制・誘導の効果など)。
大脇鉄也氏(国土技術政策総合研究所)&ref(): File not found: "自転車SS(国総研大脇).ppt" at page "活動記録/2008/土木計画学春大会/スペシャルセッション"; †
- 国土交通省による自転車空間整備技術の普及施策について話題提供があった。
元田良孝氏(岩手県立大学)&ref(): File not found: "自転車SS(岩手県立元田).pdf" at page "活動記録/2008/土木計画学春大会/スペシャルセッション";、鈴木美緒氏(東京工業大学)&ref(): File not found: "自転車SS(東工大鈴木).pdf" at page "活動記録/2008/土木計画学春大会/スペシャルセッション";、吉田長裕氏(大阪市立大学)cycle.pdf †
- 元田氏からは、フランス、ベルギー、オランダの事例として、路面標示の色彩、バスとの共用レーン、サイクルトレイン、自転車主体のネットワークの例などが報告された。
- 鈴木氏からは、ドイツ、アメリカ、北欧の事例として、単路部・交差点での処理事例などが報告された。
- 吉田氏からは、利用空間の分離がもたらす速度向上や錯綜箇所の変化などの現象、主観的な危険感と客観的な交通事故発生状況との違いなどについて報告された。
河村成人氏(パシフィックコンサルタンツ)&ref(): File not found: "自転車SS発表資料(PCKK).pdf" at page "活動記録/2008/土木計画学春大会/スペシャルセッション";、松原淳氏・新屋沙織氏(オリエンタルコンサルタンツ)&ref(): File not found: "自転車SS(オリコン新屋).pdf" at page "活動記録/2008/土木計画学春大会/スペシャルセッション";、大森高樹氏(日建設計シビル)自転車SS(日建大森).ppt †
- 河村氏からは自転車レーンの事例として世田谷区での社会実験の報告、
- 松原氏・新屋氏からは現状の自転車利用空間の分類と問題点の整理、
- 大森氏からは自転車道の事例として三鷹市での整備事例の報告があった。路面標示の色彩、防護柵の高さ、交差点部の処理など、今後の検討事項が示された。
討議 †
- 車道走行の原則に対して歩道の通行条件があいまいであることから、車道走行の例外規定を明確にすべきであるといった意見が出された。
- 時間切れにつき、後日論点整理、フィードバックすることに(セッション後の議論参照)。
総括 †
- 山中英生氏(徳島大学)より、自転車利用空間の整備に当たっての問題点、利用者のコンフリクト調整の課題や、優先度を明確にすべきといった指摘がなされた。 &ref(): File not found: "自転車SS(徳島大山中).ppt" at page "活動記録/2008/土木計画学春大会/スペシャルセッション";
スペシャルセッション後の議論 †
土木計画学春大会 自転車SS 後始末に関わる付言(2008.6)
【岩手県立大学 元田先生】 †
SSで自転車道の柵の高さが110cmと80cmと二つあることが紹介されましたが、あれは防護柵を流用したことから生じているものです。
110cmは歩行者自転車用柵、80cmは自動車用防護柵の規格です。
ご参考まで。
【東工大 鈴木美緒】 †
私としては,やはり共存と言うからには優先順位の最も高い歩行者も,少しは何かを我慢しないといけないのではないかと考えています.それでこそ,「共存」と言えるのではないでしょうか.
我慢のレベルが優先順位によって異なることはもちろんですが.
【国総研 大脇】 †
国際比較のページ以外は、道路局or国総研が書き起こしたものか、国の公開データを加工したもの、収集した写真ですので、出典を明記していただければ、著作権の問題は生じないと思います。
【オリコン 新屋沙織】 †
- <歩道上の分離について>
- 改正道交法の内容、現状歩道の分離がうまくいっていないことから、歩道上の自転車と歩行者の混在は今後も続いていく可能性があり、歩道上に速い自転車が、乗り上げる可能性もある。速い自転車に対して、特に高齢者や幼児児童の視点から対策を考える必要がある。
- 現状、歩道上の分離は不十分なものが多いためそもそも歩道上の分離を行う必要があるのかを考える必要がある。分離ではなく、歩道上にあがる自転車の速度を抑制することも考えられるのではないか?
- ただし歩道上の分離も、形態によっては効果的なものもあると考えられる。また、現状分離されている歩道もたくさんあるので、歩道上の分離を行うのであればどのような形態のものが適しているのか、空間構成や基準を考える必要がある。
- <通行方向や法令>
- 通行方向や法令と矛盾する空間整備や自転車の通行が見られるため、複雑な自転車のルールを浸透させていく必要がある。
- <統一されたデザイン>
- 現状、自転車通行空間のデザインは各地でばらばらであるため、利用者が自転車通行空間はこれだ という共通認識を持つことができない。自転車通行空間の共通言語となりうる統一されたデザインを検討する必要がある。
- その場合、どのようなデザインが利用者にとって認識されやすいのか、そして景観的にも美しいデザインはどのようなものなのかを考えていく必要がある。